インフルエンザはぼちぼち蔓延しだしています。厚労省は全数報告をやめましたので、もう患者数は分からなくなりました。定点医療機関の報告は非常に少ないです。それ以上にA型陽性患者さんの報告はおそらく20倍はあるのでは?と思われます。ただ、定点報告でしか動きが分からなくなりましたので、感染症情報センターの情報を転記します。

2009年第30週のインフルエンザの定点当たり報告数は0.28(報告数1,312)であり、3週連続で増加がみられています。例年ならば、近年散発的に沖縄地方で流行がみられていたのを除けばまず、インフルエンザはありません。検査すら行われていないと思います。今年がやはり異常です。

それでもやはりダントツは沖縄県です。沖縄県(6.00)、大阪府(0.74)、滋賀県(0.58)、東京都(0.29)、石川県(0.29)、茨城県(0.28)、千葉県(0.28)、愛知県(0.28)、兵庫県(0.28)、広島県(0.28)の順であり、東京都及びその周辺地域、愛知県、大阪府及びその周辺地域、福岡県等の大都市圏を含めた28都府県で報告数が増加しています。また、9府県(千葉県、福井県、長野県、滋賀県、京都府、大阪府、広島県、福岡県、沖縄県)の21保健所地域で定点当たり報告数が1.00を超えており、例年収束しているこの時期においても、低いレベルですが、新型インフルエンザの影響によると思われる地域的な流行が続いています。

年齢群別では5〜9歳9,944例(30.8%)、10〜14歳8,360例(25.9%)、0〜4歳5,004例(15.5%)、15〜19歳3,118例(9.7%)、20〜29歳2,142例(6.6%)、30〜39歳1,582例(4.9%)の順となっています。従来、インフルエンザの年齢群別報告数は、5〜9歳、0〜4歳、10〜14歳、30〜39歳、20〜29歳の年齢群の順で多かったので、10代を中心に発症者がみられている新型インフルエンザが影響していると思われます。

第19〜30週にインフルエンザウイルスの検出は、AH1亜型(Aソ連型)39件、AH3亜型(A香港型)711件、B型90件の報告があり、またAH1pdm(新型インフルエンザウイルス)は、2,178件の分離・検出が報告されているため、AH1pdmはこの期間中の分離・検出全体の72.2%を占めています。但し、AH1pdmの大半は、これまでは新型インフルエンザの全数報告の一環として、診断のために地方衛生研究所でRT-PCR検査が実施されてきた結果が反映されたものなので、従来の季節性インフルエンザと新型インフルエンザの実際の患者発生の割合を示しているものではありません。また全数検査ではなくなったものの、集団発生例には定点以外の医療機関の場合もPCR検査が実施されますので、実際の定点報告よりもまだ多い状態にはなります。報告されない数は上述のとおりこの何十倍にのぼるか、検討もつきません。
夏休みが終わり、気温の下がる秋がインフルエンザの流行本番になります。いったいどのくらいの数の方が感染されるのか想像もつきません。重症になりやすい高齢者が比較的少ないようですが、死亡例や後遺症の残った例はないものの、脳症も海外では多く報告されています。日本でも脳症か?という報告はありますが、今のところ本当に脳症なのか実際の診断基準を決めて診断されたものではなく、5000人以上の感染者がでているのに、1例も死亡者がない国として少し注目はされています。
マスクや手洗い、うがいではどのくらい感染が防げるのかわかりません。できるだけリスクの高い人たちに感染を広げないように、高熱がでたら、基礎疾患のない方の場合は、家でじっとして受診も控える・・・、というのも一つの方法かも分かりません・・・。幸い抗インフルエンザ薬が必要ないケースも多いですし。急速に進行するインフルエンザウイルス性の肺炎の場合もありますので、咳の強い方は要注意ですが! |