2009年度 新型インフルエンザ情報 No.5(09/6/15更新)

  南半球の新型インフルエンザの広がりをうけて世界保健機関(WHO)は11日、新型インフルエンザの警戒度を世界的大流行(パンデミック)を示す「フェーズ6」に引き上げました。以下WHO事務局長の声明要旨です。
これまで74カ国で3万人近い感染者が確認された。人−人間の感染の広がりが追跡不可能な国もあり、今後のさらなる感染拡大は避けられない。パンデミックの科学的基準が満たされ、「フェーズ5」から「6」へと引き上げることを決断した。
  パンデミックの初期段階にある。重症度は中等度であると予想されるが、各国によってその程度は異なる。
  今のところ死者数は少ない。これから重症者や死者数が急増することはないだろう。
ウイルスは若い人に感染しやすく、大半は25歳未満だ。いくつかの国の例では感染者の2%程度が重症で、しばしば致死性の肺炎を伴う。重症者の多くは、ぜんそくや心臓病、糖尿病などの慢性疾患、肥満を抱えていた。
  感染のピークを過ぎた国は「第2の波」に備えるべきだ。まだ広がっていない国は監視強化に努めてほしい。WHOは引き続き渡航の規制や国境封鎖をしないよう求める。ウイルスは医療体制が貧しい地域で広がっている。
  季節性インフルエンザのワクチン生産は間もなく終わり、生産容量全体が新型インフルエンザにあてられるだろう。

南半球での広がり
◇オーストラリア…2週間で感染者1000人増
  感染者が急増し、警戒度引き上げの判断材料の一つとされたオーストラリア。ラッド首相は12日、「態勢はすでに整っている」と述べ、国民に冷静な対応を呼び掛けた。
  豪州では感染者が最近2週間だけで約1000人増えた。計1300人以上の感染者のうち、1000人超が集中している南東部ビクトリア州では、地元紙が「人口比でメキシコの倍以上の高率感染」と報じるなど、感染拡大に歯止めがかからない状況だ。
  州都メルボルンで開催予定だった水泳大会が中止されたほか、他の州では、ビクトリア州を訪れた生徒児童に対して7日間登校を控えるよう求めるなど、社会への影響が広がっている。メルボルンでは17日、サッカーW杯アジア最終予選の日本対豪州戦が行われるが、今のところ試合に影響はない。

◇チリ…寒い地域で死者
  南米チリでは5月17日に最初の患者が確認されてから、感染者は1カ月足らずで約1700人に達した。死者も2人出ている。首都サンティアゴの最低気温は現在、4度程度。南に行くとさらに寒くなり、死者はいずれも首都南方約800キロの患者だった。
  チリの保健省は11日、警戒度引き上げを受け、「ウイルスが強毒になったとか、致死率が高くなったというわけではない」と強調する一方、流行は数カ月続くとの見通しを示した。米疾病対策センター(CDC)や米州保健機関(PAHO)などの専門家チームが現在チリを訪れ、冬季の感染状況などを調査している。
このほか南米ではアルゼンチンが感染者343人と徐々に増えている。ウルグアイやブラジル南部も冬場の気温が下がり、感染者は増える可能性がある。


  日本国内の報告数は(厚生労働省確認分) で6月12日11時現在539名です。神戸、大阪での発症のピークは5月17日でしたが、6月に入って東京都や千葉県、福岡県で学校の集団感染が発生し、5日以降で100人以上が新たに確認されました。ただ、これも峠は越えているようです。
  今後もこういった小発生を繰り返しながら、この冬のシーズンに突入するものと予想されます。

  この冬のシーズンでは、どこまで新型に感染しているかを検査しうるのかが大きな問題ですね。流行しだしたら確認は不可能でしょう。遺伝子検査には検査数の限界と、お金の問題も大きいようです。
  新型インフルエンザのワクチンはおそらく集団接種になって、国が買い上げて管理するであろうということです。

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