この新しいインフルエンザの呼び名ですが、豚インフルエンザという言い方はせず、国際的には(WHO)インフルエンザA(H1N1)という呼称になっています。新型インフルエンザと表現しているのは日本だけです。日本でもつい先日、カナダに行っていた大阪の高校生、教諭の発症が確認されたところです。
WHOなどによると、2009年5月10日午前10時00分(日本時間)現在、世界中で29カ国において3,000例以上の新型インフルエンザ(Swine-origin
influenza A/H1N1)感染の確定例が報告されており、内訳はメキシコ1,364 例、アメリカ合衆国1,639例(アメリカCDCによれば2,254例)、カナダ242例(カナダ政府によれば280例)などです。死亡例はメキシコ45例、アメリカ2例、カナダ1例です。
カナダから帰国した日本人3名が入国前に成田空港検疫所にて新型インフルエンザA(H1N1)感染確定と診断され、停留中に1名がさらに感染確定と診断されました。
アメリカでは急激に感染者が増えています。アメリカ、メキシコ、カナダの北米以外で多いのはスペイン、イギリスですね。そのほかの地域では今のところ確定感染者が確認されても、感染はあまり拡大していないようです。
インフルエンザA(H1N1)ウイルスはすでに世界の多くの地域で確認されています。地球規模の対応策として今焦点を当てるのは、感染例を迅速に同定することによってウイルスによる影響を最小限にする事と、患者に適切な医療を提供する事であり、国際的なウイルスの広がりを止める事ではありません。
旅行者がインフルエンザの徴候や症状を呈しているのを見つけても、ウイルスが広がっていく道筋をたどることはできますが、インフルエンザの広がりを食い止めません。なぜなら、症状が現れる前にウイルスはヒトからヒトに伝播しているかもしれないからです。
メキシコからの初期段階での情報では、多くの健康な若年成人が急激に進行する肺炎で入院し、呼吸器不全となり人工呼吸管理下におかれ、最終的には死に至るということでした。しかし確定診断がなされ、感染者の症状が明らかになり、この新型インフルエンザは従来の季節性インフルエンザと症状は変わらない、ということが確認されました。下痢、嘔吐といった消化器症状が多く見られているようですが・・・。
インフルエンザパンデミック対策で現在フェーズ5、ということです。これは非常に強毒の鳥インフルエンザH5N1を想定したものであり、アメリカでもこれにならって、新型インフルエンザ患者が発生した場合は学校閉鎖をおこなったりしていましたが、症状が軽いことから、この対策も見直されています。
日本でも、新型インフルエンザの感染者が確認されたため、非常に厳しい対策を行っていますが、飛行機の同乗者からの感染が、もし他の地域で広がっていくようなら、もう流行の阻止は不可能だと思います。普通のインフルエンザと同じ対応をするしか仕方がなくなるでしょう。症状は重くありませんので、必要以上に心配しないで下さい。 |