2014年度インフルエンザ情報 No.6 今年度総括 (15/5/18更新)

今シーズンのインフルエンザは流行の立ち上がりが非常に早く、A型の流行は早くに終わったのですが、少ないながらもB型がいつまでもだらだらと続きました。2014/15シーズンのインフルエンザを、国立感染症情報センター、京都市環境衛生研究所等のホームページから転記してまとめてみます。

[報告数の推移]
インフルエンザはほぼ終息しています。第15週に報告数が最低になってから、学校が始まって少し増えましたが、その後は減少しています。

京都市、京都府でも同様の状態です。

・流行開始時期は 11 月下旬で平年 より 2週間 程度早い立ち上がりでした 。
・ピークの時期は 1月中旬 から下旬(2015 年第 2〜4週) で、過去 3シーズンより早く 、ピークの高さは過去 3シーズンの中間で、前シーズン並みでした。

[年齢分布]
第 13 週までの集計ですが、年齢群別の特徴として、 前シーズンでは15 歳未満が半数以上を占め ましたが 2014/15 シーズンは前々シーズンと ほぼ 同様の割合となっています。

[分離ウイルス]
2014/15 シーズン(2014 年 4月 9日現在報告)は 2014 年第 46 週(11/10 〜11/16 )より AH3 亜型が増加傾向を示 し、そのま主流となりました。(病原体サーベイランス に占める割合は 91 %) 。前シーズンは AH1pdm09が主流でした。 AH3 亜型が主流と なったのは2011/12シーズン、2012/13シーズンと同様で、2シーズンぶりです。旧 AH1亜型(ソ連)は 2009/10 シーズン以降全く報告されていません。
2015 年第 8週( 2/16〜2/22 )からはB型の検出割合が増加しています。その系統の検出割合は、現時点までにビクトリア系統と山形系統が約1:16で、過去3シーズン続けて山形系統が優勢になっています。前シーズンはB型が比較的早くから検出されましたが、今シーズンのB型の増加は例年通りか若干遅めからでした。2015年4月9日時点でB型の検出割合がAH3亜型を上回りました 。

[インフルエンザ脳症]
・インフルエンザ脳症 報告数のピークは2015 年第 2週(報告週)でした。
・ 2014/15 シーズン( 2015 年 4月 14 日現在)におけるインフルエザ脳症報告数は 99 例(暫定値)であり、AH3亜型が流行の主流であった2012/13シーズン、AH1 pdm09pdm09 亜型が流行の主であった2013/14 と同程度で した。
・ インフルエンザ脳症の患者から検出/分離されたウイルスは、A型が最も多く78.8%を占めました。一方、B型の報 告は過去 3シーズンの中では最も少なく 1.0 %でした。
・インフルエンザ脳症の年齢分布は、10 歳未満が半分以上を占め、 5歳未満が 27.3% でした。 60 歳以上は 19.2% でし た。

今年は予想通り、B型はあまり流行しませんでした。流行の立ち上がりが非常に早かったので、A型は終息も早かったのですが、3月中旬からはB型のみの検出となり、4月末に学級閉鎖になったところもありました。が、B型は全体の7%程度です。当院での総数は630名ほどで、中流行といったところでしょうか?
AH3亜型は昨年が流行らなかっただけで、その前は2年続けて流行の主流になっています。来シーズンはAH3亜型か、AH1pdm09かどちらが流行るでしょうか?2種類のA型に感染すれば、その後は当分罹らないはずであるのですが…。今年は、AH3亜型が流行した年に罹ったのにまた罹ったり、この4シーズンの間に3回A型に感染されている方もおられるので、抗体の持続はどうなっているのか…、わからなくなりました。また、来シーズンはB型が流行る年になります。
インフルエンザワクチンはどうなるでしょうか?今季はAH3亜型はワクチン株とは離れていたし、B型には効果があるとは思えませんが、B型2種類を含んだ4価ワクチンになるという話もあります。これほど接種者が多いのに、流行が減らないワクチンは他にはありませんね!

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