2014年度インフルエンザ情報 No.2 (14/12/22更新)

2014年第50週の定点当たり報告数は7.38(患者報告数36,455)となり、前週の定点当たり報告数3.49よりも増加しました。都道府県別では埼玉県(18.80)、岩手県(15.78)、北海道(14.26)、奈良県(14.15)、神奈川県(12.52)、千葉県(10.93)、東京都(10.15)、福島県(10.12)、京都府(9.18)、山形県(8.77)、愛媛県(8.07)、宮城県(7.40)の順となっており、全47都道府県で前週の報告数よりも増加が見られました。下図は第49週のものです。
流行の立ち上がりの早かった2007/2008シーズンと同じペースで増えているようです。この年は京都では流行の立ち上がりも遅く、2008年になっても殆ど多くなりませんでした。全国的にも2008年は殆ど流行らなかった年でした。

京都市ではインフルエンザの定点当たり報告数は第49週で1.76(120例)となり、前週0.63(43例)に比べ約2.8倍に増加し、流行の指標である1.00を上回りました。昨シーズンよりも3週間早い流行期入りとなりました。京都府では第48週にすでに1.00を超えており37の都道府県で1.00を上回っています。

年齢別では、10〜14歳が一番多く約9万人、次は5〜9歳が約8万人、0〜4歳、30代、40代がそれぞれ約3万人、15〜19歳、20代がそれぞれ約2万人、50代、60代、70歳以上がそれぞれ約1万人となっています。

国内のインフルエンザウイルスの検出状況をみると、直近の5週間(2014年第46週〜第50週)ではAH3亜型の検出割合が最も多く、次いでB型、AH1pdm09の順となっています。

京都市の過去5シーズンのデータをみると、定点当たり報告数が1.00を超えたのち,4〜6週間で流行のピークを迎えています。

シーズン
H20/H21
H22/H23
H23/H24
H24/H25
H25/H26
H26/H27
1.00超の週
第50週
第50週
第51週
第1週
第52週
第49週
ピークの週
第4週
第4週
第5週
第5週
第5週
ピーク時定点当たり報告数
27.51
20.73
38.89
31.22
37.19
1.00超〜ピークの期間
6週間
6週間
6週間
4週間
5週間

※平成21年/22年シーズンは、インフルエンザ(H1N1)2009の影響で、例年と流行傾向が大きく異なるため、記載していません。

2011/12シーズンは2009年に発生し、以後流行の中心になっていたAH1(09pdm)型に変わって、AH3亜型で大ブレイクしました。2012/13シーズンは同じ型で少し年齢の高い層で中流行。2013/14シーズンは再びAH1(09pdm)型が流行の主体となって(3種類とも見られましたが)やや大きめの流行でした。そして今年はほぼAH3亜型のみの流行開始です。となると、ここしばらくAH3亜型に感染していない人が感染することになりますので、大きな流行にはとてもならなさそうに思うのですが…。いつも外れる予測、いつも流行らない、と感じている予測です。
今シーズンは家族内感染が随分多いようなので、ウイルスは感染力が強いのかもわかりません。生まれて初めてインフルエンザに罹りました!という方が結構おられるのと、2009年以降3度A型に罹患されている方がある事。A型は今は2種類しかありませんので、これは普通はないはずなのですが…。今年はB型は流行しない年なので、基本的には大流行にはならないとは思います。どうなるでしょうか?

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