2011年度インフルエンザ情報 No.5 (12/2/6更新)

上述のとおり、今週は非常にインフルエンザの患者さんが多かったです。まだまだ減りはしないでしょうが、なんとなく、今週がピーク感です。また2週前のデータになりますが、国立感染症情報センターと、京都市衛生環境研究所等のホームページからまとめてみます。

2012年第4週の定点当たり報告数は35.95(患者報告数177,290)となり、前シーズンの最高値(2011年第4週定点当たり報告数31.88)を上回りました。定点医療機関からの報告をもとに、定点以外を含む全国の医療機関をこの1週間に受診した患者数を推計すると約173万人(95%信頼区間:160万人〜185万人)となり、5〜9歳約50万人(28.9%)、10〜14歳約33万人(19.1%)、0〜4歳約26万人(15.0%)、30代約16万人(9.2%)、40代約12万人(6.9%)、60歳以上約11万人(6.4%)の順となっています。14歳以下で全推計患者数の60%以上を占めています。
都道府県別では福井県(74.88)、高知県(66.69)、愛知県(60.48)、三重県(54.58)、岐阜県(49.87)、和歌山県(48.32)、静岡県(48.07)、石川県(47.42)、山口県(45.64)、岩手県(45.52)の順となっています。3週連続して全ての都道府県で報告数の増加がみられ、14の府県では定点当たり報告数が40.00を上回りました。
下図は第3週のグラフですので、まだあまり急増した感はありません。第4週以降のグラフではっきりすると思います。

京都市のインフルエンザの定点当たり報告数は、第3週で23.02(1,473例)、前週(6.14)の3.75倍と急増しました。ここで今シーズン初めて注意報レベルの「10」を大きく上回り、第4週には36.23(2,319例)と「30」を超え、2009年の新型ウイルス発生時を除いて、7年ぶりに警報レベルを超えました。

第3週の全国の定点報告の年齢群別では5〜9歳約31万人(27.9%)、10〜14歳約20万人(18.0%)、0〜4歳約17万人(15.3%)、30代約10万人(9.0%)、60歳以上約9万人(8.1%)、20代、40代がそれぞれ約7万人(6.3%)の順となっている。この増加は、冬期休暇が終了したことによって、14歳以下の年齢群での患者発生数が急増したことが大きく関係していると考えられますが、一方で60歳以上の割合は昨シーズンの同週(4.0%)と比較して高くなっています。
京都市でも年齢群別では,5歳〜9歳が32.3%と最も多く、次いで10歳〜14歳19.8%、0歳〜4歳18.8%の順で0歳〜14歳が70.9%を占めています。学級閉鎖及び学年閉鎖の発生報告数も、1月16日〜1月20日の間に39件
(317名)と多くなっています。下図は京都市のものです。

2011年第36週〜2012年第3週に国内では1,078検体のインフルエンザウイルスの検出が報告されており、AH1(2009)が5件(0.5%)、AH3亜型(A香港型)972件(90.2%)、B型101件(9.4%)とAH3亜型が大半を占めている状態が続いています。
今シーズンに京都市衛生環境研究所で分離、検出されたインフルエンザウイルスは、AH3亜型4例、B型1例で、全国でもAH3亜型の報告が89.8%(1月27日現在)を占めています。AH3亜型は平成14年〜平成19年にかけて多く検出されていましたが,その後AH1亜型,AH1(2009)が流行し,今シーズンは5年ぶりのAH3亜型の流行となっています。

今週がピークと感じるのは、昨年のインフルエンザ情報3の時に紹介した、京都府医師会の有意メンバーによるマッピングシステムからです(下図)。先週の第4週がピークで今週は漸減していました。全国レベルの報告MLインフルエンザ前線情報DBというサイトhttp://ml-flu.children.jp/では微増です。
軽い方も多いですが、非常に高熱でフラフラの方も多く、ワクチンを接種して軽くなっているのか、変わらないのかよくわかりません。本当にワクチンを打つのが嫌になってくるほどです。できるだけ重症になる方が少なく、この流行の波が去ってくれることを願うばかりです。

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