2011年度インフルエンザ情報 No.4 (12/1/23更新)

インフルエンザが急激に増えてきました。2週前のデータになりますが、国立感染症情報センターと京都市衛生環境研究所のホームページから転記してまとめてみます。

2012年第2週の定点当たり報告数は7.33(患者報告数36,056)となり、前週の報告数(定点当たり報告数3.76)の2倍近い値となりました。 定点医療機関からの報告をもとに、定点以外を含む全国の医療機関をこの1週間に受診した患者数を推計すると、約40万人(95%信頼区間:37万人〜44万人)となり、5〜9歳約8万人(20.0%)、0〜4歳約6万人(15.0%)、30代約5万人(12.5%)、10〜14歳、20代、40代がそれぞれ約4万人(10.0%)の順であり、学校が始まったことにより特に5〜9歳が前週(約2万人)より大きく増加しています。
都道府県別では岐阜県(23.82)、愛知県(22.63)、三重県(21.92)、高知県(19.52)、福井県(16.38)、香川県(15.86)、愛媛県(15.00)、岡山県(13.71)の順となっています。全ての都道府県で前週の定点当たり報告数よりも増加がみられました。 警報レベルを超えている保健所地域が18箇所(8府県)と増加し、注意報レベルのみを超えている保健所地域も112箇所(29道府県)と増加しました。

全国的には昨年第52週と今年の第1週ではあまり変わっていませんが、京都市では年末はあまりインフルエンザの患者さんは多くありませんでしたので、第1週から増えてきています。グラフは第1週までですが、京都市の定点当たりのインフルエンザの報告数は、2.70から第2週では6.14へと倍以上に増えています。今週第3週はもっと多くなっていることでしょう。

年齢群では、すべての年齢で報告数が増えています。以下は京都市です。

全国の報告でも、グラフは第1週のものですのでまだ年齢群での差はあまりないですが、上述のように第2週では5〜9歳代が増えてきており、当院の今週第3週の報告数では10〜14歳の年齢層が今までにないほど多くなりました。

分離されるウイルスは圧倒的にAH3(香港)型です。約90%。B型は少ないはずですが、10%弱はあります。当院でもB型が流行している幼稚園があります。分離されているB型ウイルスはワクチン株とは違うタイプのものが多いようです。

京都市がまとめた流行開始時期からピークまでの期間です。これを見ると6〜7週間でピークを迎えるようですので、今シーズンは早くて第5週、遅くて第6週くらいでしょうか?今週はまだ第3週です。すでに100人を超えました。京都市のピーク時定点当たりの報告数が多いのは平成21/22年(2009新型の出た年)、平成20/21年、後はB型の大流行した平成16/17年です。当院でも1週間の報告数が100人を超えたのは丁度同じシーズンです。今年は私の予想とは全く違って大きな流行になるかもです。やはりAH3型がここ数年流行していなかったのが要因なのでしょうか?過去にA型に2回罹患し、AH1(2009)型、B型にも罹患し、もう全部の型に感染したから罹らないでしょう!と言っていたお子さんも、1番最初にA型に罹患してから7年も経っているからか、罹ってしまいました…。
それ以前のデータが残っていないので報告数はわかりませんが、急激に増えて急激に終息した時が14年前にありました…。小児が多かったので非常に忙しかったし、インフルエンザ脳症のことが報告されだした時でした。今は抗インフルエンザ薬があるからか、インフルエンザ脳症の症例は少なくなっているのが幸いです。
私の予想は見事に外れて、インフルエンザは大きな流行になりそうですが、基本的には重い病気ではありませんので怖がる必要はありません。36度台、37度台で、流行っているからと検査をしたら陽性だった、薬も必要がない、という場合も多いです。ただこれ以上増えないことを祈っています。

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