2011年度インフルエンザ情報 No.3 (11/12/19更新)

インフルエンザの定点当たり報告数は2011年第42週以降増加が続き、第49週の定点当たり報告数が1.11(患者報告数5,447)となり、全国的な流行開始の指標である1.00を初めて上回りました。都道府県別では宮城県(10.33)、愛知県(5.33)、三重県(5.33)、岡山県(4.04)、山口県(2.91)、沖縄県(2.57)、兵庫県(1.67)、広島県(1.56)の順となっています。39都道府県で前週の報告数よりも増加が認められており、宮城県、愛知県、三重県、岡山県、山口県では比較的大きな増加となっています。 注意報レベル(10)を超えている保健所地域は12箇所(宮城県5、愛知県4、三重県2、岡山県1)に増加しましたが、警報レベル(30)を超えた保健所地域は存在していません。

流行の立ち上がりとしては特に早くも遅くもなく例年通りのようです。地域による差が大きく、京都市では第49週で0.20、京都府で0.16と非常に少ないです。いつも当院で発症を認めだした時と、2週遅れのインフルエンザ流行開始宣言が一致するので、確かに先週からインフルエンザの方はありましたが、今週はゼロです。京都市内の有志によるインフルエンザのマッピングシステムでは第50週でかなりの増加がみられていますが。上京区、左京区、右京区、南区等が多いようです。

2011年第36〜48週に国内では174検体のインフルエンザウイルスの検出が報告されており、AH1pdm09が2件(1.1%)、AH3亜型(A香港型)151件(86.8%)、B型21件(12.1%)とこれまでのところAH3亜型が大半を占めています。京都市でも提出されたのはまだ1検体ですが、AH3亜型が検出されています。前述のマッピングシステムでもほとんどがA型でおそらくAH3亜型なのだと思われます。

昨シーズンはAH3亜型の流行から始まり、2011年に入ってからAH1(2009)型が増えだしたものの、2月には再びAH3亜型が増えたという非常に変わった流行の様相でした。今多いのもAH3亜型です。2009年にAH1型の新しいインフルエンザウイルスが出現する前の2シーズンは、旧ソ連型のAH1亜型が流行の中心でした。その前の5シーズンは、AH3亜型が流行の中心でした。前回のインフルエンザ情報で述べましたように、AH3亜型に対する抗体を持っている人は昨シーズンよりは多くなっているので、大きな流行にはならないと考えられるのですが…。

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