2010年度インフルエンザ情報 No.7 今年度総括(11/5/23更新)

ことしのインフルエンザの流行は随分長かったでした。これを書いているのが5月の下旬ですので、今までで一番遅いですね。今シーズンは国立感染症情報センターでのインフルエンザ脳症のまとめが無く、脳症に関するデータがありませんが、あまりニュースにはならなかったのでAH1(2009)型(新型)が発生した時より、断然少ないであろうと、例年通りのおそらく20人前後の発生であろうと思われます。

2011年第19週のインフルエンザの定点当たり報告数は1.97(患者報告数9,675)となり、3週連続で減少しました。定点医療機関からの報告をもとに、定点以外を含む全国の医療機関をこの1週間に受診した患者数を推計すると約10万人(95%信頼区間:9万人〜11万人)と前週の推計受診患者数(約17万人)よりも大幅に減少しています。
都道府県別では沖縄県(15.38)、佐賀県(7.38)、宮崎県(5.90)、長崎県(5.86)、福井県(5.41)、長野県(4.95)、鹿児島県(4.82)、青森県(3.84)の順となっています。47都道府県全てで減少しました。

京都市のインフルエンザの最新週(第19週:5月9日〜5月15日)の定点当たり報告数は1.39でした。ピークは第4週でしたが、B型が多くなる第11週に増えて小さな山を作り、更に第16週にも少し増えてもう一つ小さな山を作りました。当院では第18週の方が多かったのですが、学校が始まってからゴールデンウィークの前、A型もB型も混在で名どちらが出るか分からない!というのは今までになかったことでした。形としては1昨年2009年に似ています。この4月に入ってからのインフルエンザの発生は、この時期にもインフルエンザがある、という認識とインフルエンザキットの普及(4月にはキットが無くなってしまっていた事が過去は多かったです)にもよるのかもしれません。

シーズンの始めは20歳以上の大人に多く、子どもの流行のピークは第5週とやや遅れました。昨シーズンの流行と同様、60歳以上の発症は少ないでした。

今年度はA2種、B型と3種類混在の流行でした。AH3型から始まって、AH1(2009)型に変わり、再び徐々にAH3が増えるとともにB型が台頭、と、一体なにがきっかけでこういう変化が起こるのか興味深いです。さらに第16週には再びAH1(2009)型が検出されています!

今年は実にこの3種類全てに感染された方がありました。という事は、今年はつらかったですが、後2.3年はインフルエンザには罹らないですね。ただ、B型もビクトリア系と山形系と2種類あり、お子さんの場合は2年前に感染したに関わらず今シーズンまたB型に感染している方はあるので、2年後のB型の感染はあり得ます。今シーズンのB型はビクトリア系が中心で、それ以外は系統として分類できないものであったようです。来シーズンのインフルエンザワクチン株はほぼ決まったようで、今シーズンと全く同じですので、来シーズンはインフルエンザの大きな流行は無さそうですね。まだAH1(2009)型は形を変えていないようです。

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