2010年度インフルエンザ情報 No.6(11/4/4更新)

そろそろ流行の終わりが近づいてきました。当院でもA型の第1例目は昨年10月でしたので、本当に長期間インフルエンザの患者さんが来られています。ピークの時は平均より少ない状態でしたが、2種類のA型とB型の3種類全てが流行しましたので、トータルでは平均の患者数でした。終息宣言はまだまだでインフルエンザ総括はまだできませんが、今年の傾向を見てみたいと思います。

2011年第12週のインフルエンザの定点当たり報告数は12.33(患者報告数59,690)となり、前週の報告数(定点当たり報告数17.25)よりも減少しました。地震の関係で東北地方からの報告が少なく、報告のない地区もありましたが、報告できないのだと思われます。警報レベルの地域がまだまだあります。

2年前の流行と形が似ています。この時も流行の立ち上がりは早かったです。流行の中心は旧AH1亜型(ソ連型)でした。後半は殆どB型が中心ででしたが、4月以降にAH3亜型(香港型)が増えて、今シーズンと非常によく似ています。全国では報告数は2年前と同じですが、京都府では2年前よりもかなり目立って少なく、当院の報告と近いです。
京都市ではインフルエンザの定点当たり報告数は7.72(517例)で、第4週をピークに減少を続けていたものが増加に転じ、3週間前(第8週:7.88,528例)と同レベルとなっています。近畿6府県では、滋賀県、奈良県で先週からやや減少したものの、4府県で2週連続の増加となっています。

年齢階級別にみるとすべての年齢群で先週から増加しており、14歳以下が78.5%を占めています。特に5〜9歳までの増加が著しいです。

平成22年第44週(11月)以降の全国のインフルエンザウイルス検出状況をみると,AH1pdmの割合が12月以降増加していましたが、第1週をピークに減少し、代わってAH3型,B型の割合が増加してきています。AH3型の分離の絶対数はシーズンを通じて大きな変化はないようですが。

今年の流行は卒業式の終わった春休みまでだらだらと発生を続けています。この様子だと、新学期が始まってから、また増えてくるかも知れません。1昨年、インフルエンザの新型が発生し、まだ中身が強毒性!と思われていた5月に、また、空港で意味のない水際作戦として、メキシコ、アメリカ等からの飛行機の乗客のチェックをしていた頃、京都の北区の小学校でA型のインフルエンザが流行し、これはAH3型(香港型)だったのですが、新型では無いのか?と保護者の間でささやかれていたことを思い出します。
インフルエンザは決して怖い病気ではないのですが、インフルエンザです、といわれると、何かを宣告されたようになりますね。なにせ風邪なら熱が下がれば通園通学できますが、インフルエンザならもっと長期間休まないといけませんし…。普通の風邪よりは少し感染力は強いようですが。

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