2008年度インフルエンザ情報 No.10 今年度総括(09/4/13更新)

  今シーズンのインフルエンザは流行の規模が3年前の2005/06シーズンと非常に似た形でしたが、ピークを過ぎた後で、比較的大きなB型の流行があり、2番目の山を作ってやっと終息を迎えたようです。2年前の流行の時以上に、始まりが早かった分長い間患者さんの発生がみられました。今シーズンのインフルエンザの流行状況をまとめます。

  京都市でも、全国の集計ほど大きな山は作りませんでしたが、第13週でやっと注意報の基準である報告数10人を下回りました。A型のときはあまり流行しなかった学校も、3月中旬以降、卒業式の頃までインフルエンザの流行がみられていました。

  昨年がAH1亜型(ソ連型)中心の流行だったので、今シーズンはAH1亜型は少なくなるであろうと言われ、確かに12月からの流行の初期にはAH3亜型(香港型)が中心でしたが、今年の1月中旬からはAH1亜型が見られだし、1月中旬を過ぎた頃より、B型の流行が始まったところも多く、まさに3種類すべでのタイプが混在した流行様相になりました。そのため、今シーズンは今まで以上に、2種類のインフルエンザに罹られた方が多くみられました。12月末や1月初旬にA型に感染して、2月に再びA型。2月にA型に感染して、3月にB型等々。B型の流行している時に2回目のA型に感染された方もあり、3度目、B型に感染するかも?と思われましたが、さすがに3種類全てに感染された方はありませんでした。話には聞いていますが・・・。B型はA型のようにはっきりと抗原性が違うものは無いのですが、少し離れた2つの株の流行が見られていたためか、あまり多くは無いはずなのですが、2度B型に感染された例もあるようです。休病診療所に出務したときに、保育所で2度のB型の流行があり、2度とも殆どクラス全員がかかった、と話されていた方がありました・・・。

  今年の流行株とワクチン株の違いについてですが、昨年ほどではないものの、AH1亜型については少し隔たりがあったようです。B型に関しては、今年のワクチン株は山形系でしたが、分離される多くのものがビクトリア系であったため、かなり大きな差異があったようです。今シーズンは例年にはないくらい多くのワクチン接種済みの方が、感染されていました。しかもA、B両タイプに感染された方も多かったでした。

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