2008年度インフルエンザ情報 No.9 インフルエンザ脳症(09/3/16更新)

   感染症情報センターでは、今シーズンのインフルエンザ脳症の報告のまとめを、第6週(2月8日が最終日)が終った時点で、早々に発表しました。その後もまだまだインフルエンザの流行は続いていますので、まだ増えるかもわかりませんが、報告数が極端に減ったので、集計したようです。

  インフルエンザの報告数は、上述の様に第9週で微増しています。
インフルエンザ脳症は、5類感染症全数把握疾患の急性脳炎の発生動向調査の一環として報告がなされており、今シーズンは2008年第36週以降これまでに17都道府県から33例(男性21例、女性12例、33例中6例は診断後死亡例として報告)の報告がありました。診断週別にみると、第1週以降報告数の増加がみられ、第4週7例、第5週8例とインフルエンザの流行のピークとほぼ一致する形でインフルエンザ脳症の報告数の増加がみられています。

  年齢別では3歳が7例と最も多く、10歳以下が28例と全体の約85%を占めていました。都道府県別では、大阪府からが6例と最多であり、以下東京都5例、新潟県3例、北海道、埼玉県、神奈川県、千葉県、福島県から各2例の順でありました。都道府県別では大阪府や東京都からの報告数が多いですが、これは必ずしも今シーズンのインフルエンザの流行状況を反映したものとは言い難く、まだ全ての発生例が報告されていない可能性を考慮すべきであります。ウイルス型別では、A型28例(84.8%)、B型1例(3.0%)、型別不明4例(12.1%)となっており、今シーズンのインフルエンザの流行状況を反映して、大半がA型ウイルス由来でした。なお、33例中6例の死亡報告がみられていましたが、これも全ての死亡例が反映されていない可能性があります。

  その後、現在もまだB型の流行が続いていますが、昨年殆ど流行が見られなかったA型中心のシーズンで、第9週のまとめで28例でしたので、比較的大きな流行になった割には少ないように思います。2年前のシーズンは集計がなわれていません。3年前の集計が同じく第9週目までに35例の報告がありました。2006年は、B型の流行のない、AH3亜型(A香港型)中心の中流行でした。ここ数年は、多くなることも無く、同程度の報告数が見られているようです。 

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