2008年度インフルエンザ情報 No.1 (08/10/27更新)

  昨年は第40週あたりから、沖縄や関東地方、北海道などでインフルエンザの報告が見られだし、一部の地域ではインフルエンザワクチンを打ち出す前より、はや小流行の様子でした。京都では例年通りの流行の始まりでしたが・・・。今年も今シーズンの流行の始まりの第36週に小流行が報告されています。AH3型(A香港)とB型が多いようです。今のところ分離されているウイルスは昨年と同タイプのようです。因みにワクチン株は全て変更になっています。今シーズンの流行はどうなるでしょうか?

1. 昨シーズンの流行の規模は、小流行でした。6年ぶりの小流行です。周期的にはここ10年間、中、中、小、小、中、中、大、中、中、小流行と経過しています。大流行は1度だけでほぼ中流行の傾向にあります。抗体保有率が多いとも少ないとも言い難い状況です。
2. ウィルスの型でみると、昨シーズンはAソ連型(H1N1)がほとんどでありA香港型(H3N2)とB型はほんのわずかの出現でした。
3. A香港型(H3N2)は、ここ19年間連続して出現しています。昨シーズンはわずかでしたが今年も続くと考えます。逆に多くなる可能性があります。Aソ連型(H1N1)は、3年連続して出現しました。ただその前4年は出現していません。昨シーズンの反動で今年は出現しても少なくなると考えます。B型は一年おきに流行する傾向がここ10年の統計としてあり、今年は出現する年にあたります。

  したがってA香港型(H3N2)とB型が主の組み合わせになる可能性が高いと考えます。この組み合わせは、流行規模が大きくなる傾向があります。 今年の6月〜8月の降水量は、北日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美で少なく、北日本太平洋側、東日本、西日本日本海側で平年並みで、流行規模が小さくなる因子になる程の大雨ではありませんでした。
 
  これらを総合的に考えますと、今年の冬のインフルエンザ流行規模は大流行あるいは大流行に近い中流行になると予測されます。

  2004/05シーズンは大流行しました。B型が流行の中心でした。その後は大きな流行はみられていません。今年は早くからB型の報告が見られ、B型の流行りそうな予感です。大人の多くの方は4年前の流行で抗体を持っているのでB型に関しては大きな流行にはならないだろうと思われますが・・・。今年はワクチンのタイプが大きく変わりました。とリあえず、これまでに分離されているのは昨年と同タイプのようですが、今年はどうなるでしょうね?

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