2007年度インフルエンザ今年度総括 インフルエンザ脳症(08/4/14更新)

 今年は、昨年や1昨年のように4月にもインフルエンザの流行が見られる、ということは無いようです。全国的にも流行は終息しています。インフルエンザ脳症の報告も含めて、今年のインフルエンザの総括をします。

  今年は小流行でした。限られた地域では非常に早期に流行が始まりましたが、京都ではほぼ平年並みの流行の開始でした。AH1亜型(Aソ連型)が流行の中心で、後半は例年通りにB型の発生も見られましたが、あまり多くはありませんでした。

[インフルエンザ脳症]
  インフルエンザ脳症は急性脳炎の発生動向調査の一環として報告がなされていますが、2007年第36週以降これまでに16都道府県から28例(男性15例、女性13例)の報告があり、診断週別にみると、第4週および第5週の報告数が4例と多かったです。また、年齢別では1歳が5例と最も多く、8歳以下で21例と全体の75%を占めていた。都道府県別では大阪府5例、岡山県3例、福島県、栃木県、東京都、愛知県、福岡県、鹿児島県から各2例の順でした。都道府県別では大阪府や岡山県からの報告数が多いですが、これは必ずしも今シーズンのインフルエンザの流行状況を反映したものとは言い難く、まだ全ての発生例が急性脳炎例として報告されていない可能性があります。ウイルス型別では、A型22例(78.6%)、B型1例(3.6%)、型別不明5例(17.9%)となっており、今シーズンのインフルエンザの流行状況を反映して、大半がA型ウイルス由来でした。なお、28例中4例の死亡報告がみられていますが、これも全ての死亡例が反映されていない可能性があります。

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