2007年度インフルエンザ情報 No.1 (07/10/29更新)

1. 昨シーズンの流行の規模は、中流行でした。周期的にはここ10年間、大、中、中、小、小、中、中、大、中、中流行と経過しています。ここ5年間は、小流行もなくほぼ中流行が続いています。抗体保有率が多いとも少ないとも言い難い状況で、今年も中流行規模以上にはなると考えます。
2. ウィルスの型でみると、昨シーズンはA香港型(H3N2)とB型が主流で、Aソ連型(H1N1)が協調して中流行でした。 A香港型(H3N2)は、ここ18年間連続して出現しています。今年も続くと考えます。Aソ連型(H1N1)は、2年連続して出現しました。ただその前4年は出現していません。これは継続するかどうか難しいところです。B型は一年おきに流行する傾向がここ10年の統計としてあり、今年は出現しない年にあたります。
Aソ連型(H1N1)が出現しA香港型(H3N2)と協調、そしてB型も出現すれば流行規模は小さくなります。しかし、Aソ連型(H1N1)が出現せずA香港型(H3N2)とB型の組み合わせになると、流行規模が大きくなる傾向があります。B型が出現せずA香港型(H3N2)のみの場合、過去は中流行でした。
3. 今年の6月〜8月の降水量をみますと、北日本で少なく東日本と西日本日本海側で平年並み、南西諸島と西日本太平洋側では多かったですが、流行規模が小さくなる因子になる程の大雨ではありませんでした。

したがって全体的に、今年の冬のインフルエンザ流行の規模は中流行以上で、A香港型(H3N2)とB型のときは大流行、A香港型(H3N2)のみで中流行、A香港型(H3N2)とAソ連型(H1N1)とB型の組み合わせでも中流行になると予測します。

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