山内医院では、厚生労働省感染症サーベイランスを1週間単位で実施し、保健所に報告しています。そのデータをもとに、分かりやすく加工し直したのが、このページです。いまこの地域ではどんな病気が流行っているのか、感染防止の目安にして下さい。
■= 10 ■= 1
2007年10月15日〜10月21日

(第42週)
6


12


1
2 3 4 5 6 7 8 9 10

14
15

19
20



咽頭結膜熱 (プール熱)
              0
A郡溶血性連鎖球菌感染症
                1
1
        2

感染性胃腸炎   1
1
  2

1
    1
    2

  1
9







水痘
                            0
手足口病
                            0
伝染性紅斑(リンゴ病)
                            0
突発性発疹
    2

                      2

百日咳
                            0
風疹
                            0
ヘルパンギーナ
                            0
麻疹
                            0
流行性耳下腺炎
                            0
RSウイルス感染症                             0

インフル エンザ 6


12


1
2

3

4 5 6 7 8 9 10

14
15

19

合計

0
                          0
20

29
30

39
40

49
50

59
60

69
70

79
80


           
                          0

【今週のコメント】
 金曜日は一日雨。最高気温は20℃を割り、非常に寒い1日でした。急速に季節は進んできています。しかし紅葉は今年も遅れて、あまり色づかずに枯れてきたり、一気に落葉したりとおかしな状態になっているようです。
  この寒さで、一気にかぜの患者さんが増えてきました。大人の方も、年齢の大きいお子さんも、高熱が出てはきますがあまり続いてはいません。咳が続く人が多いですね。そして喘息、喘鳴のある人もずっと多い状態のままです。乳児のRSウイルス感染症を思わせる、ゼロゼロの強い、咳の強いお子さんも増えてきました。ただ、報告する疾患の種類はまだ少ないです。感染性胃腸炎は今週は少なかったですし、あとは突発性発疹溶連菌感染症のみです。みずぼうそうは増えてはきているのですが、当院近辺での保育所、幼稚園等では多くないようなので、うちには来られていないようです。インフルエンザはどうなんでしょうか?高熱が出ているお子さんが来られると、気にはなりますが、いつも調べてはいません。沖縄ではずっとコンスタントに報告がなされています。他の地域でもパラパラと報告がありますが・・・。今年は殆どがA型なので、今シーズンはA型中心の流行になるのでしょう。流行の開始も早いのかもわかりません。
  あまりの毎日の寒暖の差に、着る服に困る毎日です。基本的に子供さんは暑がりで寒さには強いです。肩や腰を冷やさないようにだけは気をつけてあげてください。

■今週のトピックス<RSウイルスとシナジス>
  上述のようにそろそろRSウイルスの増えてくる時期になりました。今年は暑かったものの、9月くらいから入院例などを耳にしています。流行の始まりは早かったようです。「シナジス」というのはこのRSウイルスの抗体のことです。未熟児や、心疾患のあるお子さんにはRSウイルスの予防として使われます。それ以外のお子さんには適応は無いのですが、今回はこのお話をします。

[シナジスとは]
  日本では2001年に、RSウイルス感染症の予防薬としてパリビズマブ(シナジス)の臨床使用が認可されました。この薬は、遺伝子組換技術により作られたRSウイルスの抗体であり、副作用はほとんどなく予防効果を発揮します。「シナジス」はワクチンではなくて、 ウイルスをやっつける『抗体』そのものを筋肉注射する事で感染を防ぐ、 もしくは、感染しても重症化を防ぐことができます。 RSウイルスに対するワクチンはまだ開発されていません。

[投与方法]
  冬から春のウイルス流行期(10〜11 月頃から3〜月頃)に合わせて、月1 回太ももに筋肉注射します。予防接種とは異なるため、一般の予防接種と並行して接種可能です。また、発熱時でも接種可能です。

[投与対象者]
  以下に該当するお子さんで、ご家族が希望されれば接種可能です。強制ではありません。
  1. 在胎期間28週以下の早産で,12ヵ月齢以下の新生児および乳児
  2. 在胎期間29週〜35週の早産で,6ヵ月齢以下の新生児および乳児
  3. 過去6ヵ月以内に気管支肺異形成症(BPD)の治療を受けた24ヵ月齢以下の新生児,乳児および幼児
  4. 24 ヶ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患(CHD)の新生児、乳児及び幼児

  RSウイルス感染症は病気の説明でも述べていますが、乳幼児期、特に早期に感染すると、重症になり入院が必要になるケースが非常に多いです。呼吸が止まるかと思うような経験をされたお母さん方も多いのでは・・・、と思います。しかしこれも治療薬の無い、対症療法で診るしかない病気です。重症例にはγグロブリン療法も行われていたようですが、これも基礎疾患のあるお子さんや、未熟児などが対象でした。
  シナジスは非常に高い薬です。上述の投与対象者には、RSウイルス感染により重症になる可能性が非常に高いので保険適応があり、乳幼児医療の範囲で注射を受けることができます。しかしそれ以外のお子さんには保険適応が無いので、投与を希望されるなら私費になり、1回につき、80000円〜320000円!(体重による差)という値段です。これをRSウイルスの流行する季節の間数回打つとなると・・・・。とても私費では受けられませんね・・・。
  基礎疾患の無いお子さんが重症になる確率は低いのでしょうが、毎年数例ずつはチョッとヒヤヒヤするような経験はしています。誰がそういった状態になるのか、予測ができないところが難しい問題ですね。

● リンク
京都市衛生公害研究所 国立感染症研究所感染症情報センター

 

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