【今週のコメント】
週末は関東、東北、北海道地方に台風襲来。また多くの被害を残して去りました。京都では土曜日夜に思わぬ夕立。一時に降った雨量はかなりのものでした。朝晩はこれで少しは涼しくなってくれたのですが、日中のこの暑さ!もう9月も中旬なのですが・・・。
今週も同じような状況です。小児科の受診者は少ないです。先週よりは、突然の高熱、という典型的な夏風邪が多いようでした。感染性胃腸炎も、腹部症状を訴えて来られるのですが、夏風邪のウイルスに伴う腹部症状である例の方が多かったです。これはあえて、数には数えていません。ヘルパンギーナももうおしまいでしょうか・・・。朝晩の気温差のせいか、先週もそうでしたが、喘息の発作を起こされる方が増えてきています。又、東海地方でインフルエンザの極小さい集団発生があったようです。今年も、沖縄や宮崎県では、何時までもパラパラと単発的な報告が続いていましたが、これは新しいシーズンの始まりなのか、漸シーズンの続きなのか・・・。そろそろワクチンの接種も1ヵ月後には始めていますが・・・。
今は遠足や運動会の練習、といった行事がありますね。あまり暑すぎて、とにかくウンザリ、体調も悪くなりそうです。まだまだ熱中症にも気をつけてくださいね。
■今週のトピックス<百日咳>
今年は麻疹の流行が問題になった時期に、香川大学医学部での百日咳の集団発生が報じられました。最近は麻疹と同じように、ワクチンを打っても免疫は落ちるので、大人の百日咳も増えてきているようです。確かに今年は百日咳の報告が多くなっています。今週はこの話をします。
過去10年間との比較グラフ
感染症発生動向調査によると、2007年の百日咳の週別の定点当たり報告数は、2001年以降の過去5年間の同時期と比較して高い場合が多くなっています。2000年〜2006年の過去6年間の累積患者報告数では、2000年の報告数が3,804と最も多く、次いで2004年(2,189)、2001年(1,760)の順であり、2000年と2004年以外では報告数は全て2,000以下となっています。しかしながら2000年以降2007年までの各年の第29週までの累積報告数を比較すると、2007年の報告数1,197は、2000年の報告数2,289に次ぐ値となっており、2001年以降では最も報告数が多いです。

2000〜2007年まで(2007年は第29週まで)の年間の累積報告数の年齢別割合をみると、0歳児、1歳児を中心とした乳幼児からの報告割合は年々低下がみられている一方で、小児科定点からの報告ではあるものの、20歳以上の報告割合は年々増加しており、2007年では30.7%となっています。

成人の百日咳では咳が長期にわたって持続しますが、典型的な発作性の咳嗽を示すことはなく、やがて回復に向かう場合が多いです。しかし、症状が典型的ではないために診断が見逃されやすく、感染源となって周囲へ感染を拡大してしまうこともあり、注意が必要です。百日咳の治療薬としての抗生物質はマクロライド系抗菌薬が第一選択であるが、セフェム系が処方されることもあるます。早期に抗菌薬を処方すれば、症状の軽減と菌排出期間(無治療の場合は3週間前後)の短縮が期待できます。主な感染経路は発症患者の鼻咽頭や気道分泌物による飛沫感染と接触感染です。
DPTワクチンの普及により、百日咳の患者発生数はかつてに比べて大きく減少し、流行を示す明確なピークも認められないまでになってきているといわれています。しかしながら本調査結果にもみられるとおり、あまり典型的な症状を示さない年長児例や、小児科定点からの報告ではあるものの、成人例の報告割合が無視できないほどに増加してきています。今年の5月にみられた大学における百日咳の集団発生事例の発生は、この成人例の報告数の増加をある程度反映している可能性も考えられます。百日咳の発生動向の推移には、今後とも注意が必要であるが、小児科定点からの報告のみでは、特に15歳以上の年齢層の患者発生の推移を正確に把握することは困難であるといわざるを得ません。最近は大人でも、2週間以上続くしつこい咳の症状を示す人の2割近くで百日咳菌の関与が明らかになったという研究結果も報告されています。大人の患者には、20〜40代の人が比較的多いようです。 |