【今週のコメント】
14日にやっと梅雨入りしました。でも、例年のごとくその後は晴天が続いています。今年は雨が少なくなりそうです。心配ですね。夏は酷暑になるそうですし・・・。
今週はやはり溶連菌感染症が多いです。発疹の出るタイプのものが多かったですね。でも同じ兄弟で発症しても、一人は発疹が出なかったり、イロイロです。典型的な口腔所見がなくても調べると溶連菌が陽性になる場合もあるので、今のように流行している時期は、検査する頻度が増えてしまいます。みずぼうそうも多く、今週は小さい年齢の方が多かったです。感染力とてもが強いので、集団生活をしていないお子さんが、いったいどこでうつったんでしょうね・・・、というケースも有りますね。感染性胃腸炎も今週は乳児が多かったです。今年は寒い時期が特別は多くは無かったので、いつまでも少し減ってはいるものの、ずっと同じようにいつまでたってもみられるな・・・、という印象です。調べてもロタウイルスはでません。細菌性腸炎は小さいお子さんで少し多いようでしたが。今年は手足口病、ヘルパンギーナが少ないですね。特にヘルパンギーナはゼロです!例年なら高熱で来られて、口を見た時、あの独特の水泡のみられる例があるのに今年はまだ無いですね!気温が低かったせいでしょうか・・・。
今までに無く遅い梅雨入りで、しかも雨は降らないようですが、季節の変わり目です。朝晩はまだまだ気温が低くなりますので、冷えないように気をつけてくださいね。
■今週のトピックス<麻疹情報 No.5 日本の麻疹事情>
麻疹情報が続きます。麻疹の患者さんの報告に関しては、今までの定点報告から、5月25日より麻疹の患者さんを診れば、全例報告に変わりました。その結果、小児科定点(京都市内41医療機関のみ)報告では今までたった3例のみの報告でしたが、第23週までで、それ以外に18例報告されています。その殆どが10才以上です(0歳1名、2歳1名)。関東地方のような、学校閉鎖にいたるような流行は聞いていません。全国からの定点報告ではこのところ、発生状況は横ばいのようですが、成人麻疹はまだまだ増え続けているようです。日本の麻疹発生の現状を見てみたいと思います。
日本では麻疹ワクチンは1966年に導入され、副作用等からの問題から1969年に改良され、1978年10月から定期接種になりました。その後は麻疹の発生は少なくなってきています。近年の推移を見ると、小児科定点から報告された麻疹患者数は、1999(平成11)年には過去最低となっていましたが、2001(平成13)年は過去10年間では1993(平成5)年に次いで二番目に大きい流行となりました。
この2001年の流行を重く受け止め麻疹の撲滅を目指して、「1歳を過ぎたらすぐに麻疹ワクチンを受けましょう!」というキャンペーンを展開した結果、1歳代での麻疹ワクチン接種率が上がりその後は非常に低い発生状況になっていました。昨年の同時期に関東地方で、中学校等で麻疹の小流行が見られましたが、今年のようには広まりませんでした。が、しかし今年のこの状況、2001年の流行に迫る勢いで麻疹患者が増え続けています。憂慮すべきことです。ただ、今年の麻疹患者は、15歳以上の成人麻疹が中心で、今まで多かった1歳台の患者さんは少ないです。これは先週も書きましたが、その年代で麻疹の抗体を持っている人の数が少なくなってきているのが大きな1因であるようです。

[WHOが区分している麻疹排除に向かう段階]
| 第一段階: |
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制圧(control)期;麻疹は恒常的に発生しており、頻回に流行が起こる状態、麻疹患者の発生、死亡の減少を目指す時期 |
| 第二段階: |
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集団発生予防(outbreak prevention)期;全体の発生を低く抑えつつ集団発生を防ぐことを目指す時期 |
| 最終段階: |
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排除(elimination)期;国内伝播はほぼなくなり、根絶(eradication)に近い状態 |
上図のように日本は先進国でありながら、麻疹制圧期にあります。ごく最近、韓国では麻疹は排除に成功したとの報道がありました。南北アメリカ、ヨーロッパの多くの国では1990年代より麻疹ワクチンの2回接種を行い、10年近くかかって排除しています。韓国では2001年の大流行時に、不足したワクチンは海外から輸入して国の負担で麻疹に感受性のある年代にワクチン接種を行った、というのが、排除の勝因のようです。日本では、厚労省からは、10代の人も抗体価が落ちてくるのでワクチンを打ちましょう、の指示のみ、その結果麻疹ワクチンは手に入らなくなり、では、麻疹・風疹混合ワクチンを打ちましょうと。そして、混合ワクチンも少なくなってくるや、抗体検査を受け、抗体価の低い人だけ打ちましょう・・・。そしたら検査が殺到して、検査さえも出来なくなりました!この現状の違いは何でしょう?!日本にはまだまだ根強いワクチン反対論者、自然感染支持者が多いようで、そのせいでしょうか?輸入しようも、海外では今は厚労省が中止している麻疹・風疹・おたふくかぜの混合ワクチンしかありませんし・・・。厚生労働省は14日、医師ら専門家による検討会を開き、来年以降の予防強化に乗り出すようです。今年の反省を踏まえ、はしかの免疫を持つ比率が低い10〜20代のワクチン接種を徹底するほか、ワクチン増産なども検討。先進国で数少ない「はしか輸出国」の汚名返上も目指す、ということですが・・・。
昨年度から始まった麻疹・風疹混合ワクチンの接種率は30%程度で非常に低いです。1期接種も接種期間が1年間のため、かえって接種をのがしている方が増えているようです。接種席無かった人への救済措置ももう少し、徹底してほしいところです。
日本の麻疹排除は、いったいいつになるでしょうか?2012年が目標年ですが、とても無理ではないでしょうか?? |