【今週のコメント】
週の前半は爽やかな日々でしたね。週末は荒れ模様。雨で気温が下がり、土曜日は雷もなって突然の大雨でした。運動会はどうだったのでしょう・・・。
先週が少し気温が低かったせいか、今週は高熱の続くお子さんはやや少なかったでしょうか?でも、やはり、検査は沢山必要でした。熱が下がることがあるものの、40℃以上の高熱が出て、検査結果が非常に悪くて入院になったお子さんもいました。感染を繰り返す場合でも、ウイルスが原因ならまだ良いのですが、時々重い細菌性の肺炎になることがあり・・・抗生物質の使い方の難しいところです。溶連菌感染症は夏に向かって多い時期を迎えています。ここ2〜3週がピークでしょうか?逆に感染性胃腸炎は今年は冬のピークが少なかった分、だらだらと続いてはいますが、小さいお子さんは少なくなり、夏に向かってどんどん少ない時期を迎えます。手足口病は今年も少ない年のようです。ここのところ4年間、大きい流行はありません。ヘルパンギーナも少なく、今までが少し気温が低めだった影響でしょうか?今年は猛暑の予想ですので、今後気温が上がってくれば増えてくるでしょうか?今は修学旅行や、岬の家に行く学校が多い時期ですね。海水温はまだまだ低いので、岬の家で、海に入る時には体が冷えてしまいそうです。はしゃぎすぎて無理をしないように気をつけて下さいね。
■今週のトピックス<麻疹情報 No.4>
関東地方の麻疹はまだまだ増え続けています。大学、高校の麻疹発生による休校数もどんどん多くなっています。近畿地方では、大阪は多いものの、京都は幸い、全くと言って良いほど増えてはいません。高校、大学での麻疹発生は聞きますが、1例ずつの発生のようで閉鎖しないといけないほどには増えないようです。関東地方や大阪などでは、人の出入りが激しいからでしょうか?東京への修学旅行をどうしようか・・・、と危惧している高校、中学校が多いようですが、京都にも関東地方からの修学旅行生は沢山来られているとは思うのですが、とりあえず、カナダへの修学旅行中に麻疹を発症した(麻疹を輸出した!)ような例はまだ見られないようです。
感染症発生動向調査によると、全国約3,000カ所の小児科定点からの麻しんの報告数は2007年第21週には27都道府県から215例(定点当たり報告数0.071)と前週の報告数210(定点当たり報告数0.070)よりも僅かに増加しています。都道府県別では千葉県32例、東京都28例、埼玉県27例、神奈川県21例、北海道18例、宮城県17例、栃木県、大阪府から各8例、茨城県、山梨県、広島県から各6例、香川県5例、和歌山県、岡山県から各4例、群馬県、長野県、兵庫県から各3例の順であり、南関東地域(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)からの報告数は108例(総報告数の50.2%)と前週と同数であったものの、宮城県や北海道等では増加が続いています。

2007年第1〜21週までの小児科定点からの累積報告数は1,121例(定点当たり報告数0.37)であり、2004年以来3年ぶりに1,000例を上回りました。累積報告数の年齢別割合では、0〜4歳の報告割合は38.0%と例年(55〜67%)と比べて低く、10〜14歳の報告割合は31.9%と例年(5〜15%)よりも高いです。現在の麻しん流行による感染機会の増加にもかかわらず、1歳児以上の幼児の報告割合が低下しているのは、1歳児における麻疹ワクチン接種の効果であるものと推察されます。

全国約450カ所の基幹定点からの成人麻しん(届出対象は15歳以上)の2007年第21週の報告数は18都道府県から82例(定点当たり報告数0.179)の報告があり、第19週以降4週間連続しての増加となるとともに、1999年4月の調査開始以降の最高値であった前週の報告数(68例、定点当たり報告数0.150)を更に上回りました。累積報告数の年齢別では、20〜24歳(33.3%)、25〜29歳(23.3%)、15〜19歳(21.4%)の順であり、34歳以下で全報告数の約91%を占めています。


今回の麻しん流行における成人麻しん報告例(届出基準は15歳以上)の年齢別割合からは、10代後半から20代後半までが発生の中心であり、中でも20代前半が最多を占め、次いで20代後半、10代後半の順であることがわかります。この年代における麻しん発生の増加の原因として、過去のMMRワクチンの導入後の経過と中止を強調する見方もありますが、定期麻疹予防接種の際に、MMRワクチンの選択が可能であった世代における麻疹もしくは麻疹関連ワクチンの接種率は他の世代と比較して大きく低下しているものではありません(感染症情報センターホームページ
参照)。むしろMMRワクチンが導入される前の世代である20代前半もしくは20代後半の方が、患者報告割合が多く、MMRワクチンの影響では説明できません。10代後半から20代後半は、1978年の麻疹ワクチンの定期予防接種化以降に幼児期(接種対象年齢)を迎えた世代であり、大半が麻しんに罹患した経験がなく、麻疹ワクチンを1回接種しています。従って、これらの年代者における麻疹ワクチン未接種・麻疹未罹患者及びワクチン既接種群のごく一部にみられる免疫未獲得者の蓄積に加えて、ワクチン既接種群における麻疹ウイルスの感染機会の激減による免疫増強効果の減少が、新たな麻しん感受性者の増加を招来し、麻しんの流行に至ったものと思われます。この現象は、日本のみに発生した特異的な現象ではなく、既に麻疹ウイルスの国内からの『排除』を達成した米国や韓国においても、麻疹ワクチン接種者の大半が1回接種であった状況下において一時的にみられています。現在の麻しん流行による麻疹ウイルスへの曝露機会の増加に際して、最優先すべき対策は1歳早期における麻疹のワクチン接種率を高く維持することであり、次いで0〜1歳以外の世代におけるワクチン未接種・麻疹未罹患者を少しでもなくすことであることはいうまでもありません。しかしながら、現在のように麻疹ワクチン既接種者の大半が1回接種である現状が継続する限りは、今後も数年の経過を経て新たな麻しん感受性者の増加から、同様の流行を繰り返していく可能性が高いと思われます。
欧米諸国の多くや韓国では、麻しんは既に国内からの『排除』が達成された疾患であり、我が国においても2001年のような多数の乳幼児が感染発病した大規模な流行を2度と繰り返すべきではありません。また、日本を含めたWHO西太平洋地域(WPRO)は2012年までに域内からの『排除』を目標としています。そのためには、今後とも日本国内における地域的な流行は積極的に阻止されなければならないのです。加えて、現在のような流行下においては、麻疹ワクチン未接種で麻疹未罹患の方は、至急ワクチンを接種することが勧められます。また、従来の麻しん流行の中心である乳幼児における患者発生の増大を阻止するために、1歳早期(1回目)と小学校入学前1年間(2回目)のワクチン(麻疹・風疹混合ワクチンもしくは麻疹ワクチン)のより積極的な勧奨が重要です。 |