山内医院では、厚生労働省感染症サーベイランスを1週間単位で実施し、保健所に報告しています。そのデータをもとに、分かりやすく加工し直したのが、このページです。いまこの地域ではどんな病気が流行っているのか、感染防止の目安にして下さい。
■= 10 ■= 1
2007年5月7日〜5月13日

(第19週)
6


12


1
2 3 4 5 6 7 8 9 10

14
15

19
20



咽頭結膜熱 (プール熱)
            0
A郡溶血性連鎖球菌感染症
            1
  1
    1
    3


感染性胃腸炎         1
1
2

2

1
1
1
12

1
5




27






水痘
          1
                1
手足口病
                            0
伝染性紅斑(リンゴ病)
              1
          2

3


突発性発疹
  1
1
                      2

百日咳
                            0
風疹
                            0
ヘルパンギーナ
                            0
麻疹
                            0
流行性耳下腺炎
                            0
RSウイルス感染症                             0

インフル エンザ 6


12


1
2

3

4 5 6 7 8 9 10

14
15

19

合計

0
                          0
20

29
30

39
40

49
50

59
60

69
70

79
80


           
                          0

【今週のコメント】
  随分気温差の激しい1週間でした。連休明け天気が回復したと思ったら、30度を超える猛暑。一気に夏になり、一転して翌日は激しい風雨、最高気温は20度、寒い日が続いて週末は又気温が上がりました。診察室はクーラーを入れたり、暖房を入れたり。朝晩はまだまだ室内はとても寒いです。
  そんな毎日で、今年は気温が低いせいか、夏風邪はまだあまり増えてきません。今週はお分かりのとおり小学校高学年以上の感染性胃腸炎が多かったです。高熱が出て、腹痛、下痢が強く、サルモネラ腸炎?というような例もありました。ロタウイルス腸炎を思わせる人は本当に少なくなりました。今年はあまり多く無かったですね。それ以外の病気は少ないです。溶連菌感染症も今週はあまりみられませんでした。
  長いお休みの後の学校、幼稚園ははどうでしょう?今年は気温が低いせいか、保育所に言ったばかりの方が、熱を繰り返して・・・という例は、まだあまり多くないようです。幼稚園などでは遠足があり、どうしても行きたい、というお子さんもありますが、またの機会を待ちましょうね。小学校では運動会の練習が始まり、これが又大変です。いつも同じことばかり言いますが、くれぐれも無理はしないで下さいね。

■今週のトピックス<麻疹情報No.2>
  関東地方の麻疹の流行は随分大変なことになっているようです。多数の中学校、高校、大学で学校閉鎖になっています。厚生労働省のサーベイランスは小児科定点ですので、実際の報告数よりも本当はもっともっと多いと思います。成人麻疹の報告数も多いですが。多分定点の数が少なすぎるので、麻疹を診察したら、全数報告にしないといけない、という話になりそうです。京都でもパラパラ見られだしているようです。いわゆる修飾麻疹で、診断しづらい例も多いようです。

  感染症発生動向調査によると、全国約3,000カ所の小児科定点からの麻疹の報告数は第13週以降増加が続いており、2007年第17週は20都府県から103例の報告数(定点当たり報告数0.035)となり、2004年以降の最高値となりました。都道府県別では埼玉県、千葉県から各16例、東京都11例、栃木県8例、神奈川県、徳島県、鹿児島県から各6例、宮城県、長野県、香川県から各5例、山梨県4例、茨城県3例、群馬県、大阪府、兵庫県、広島県各2例、三重県、滋賀県、島根県、佐賀県各1例の順であり、埼玉県、千葉県、東京都を中心とした関東地域からの報告数は62例と前週の55例よりも増加し、さらに関東地域以外からの報告数も前週より増加しています。2007年第1〜17週までの小児科定点からの患者累積報告数は383例であり、埼玉県109例、東京都64例、千葉県42例、神奈川県30例、大阪府16例、栃木県、愛知県各14例、鹿児島県12例の順であり、関東地域が中心であるものの、麻疹発生は全国的に広がりつつあります。累積患者報告数の多い主要都府県の患者報告数の週別推移をみると、現在の関東地域の流行は2006年末に埼玉県を中心に開始し、その後2007年に入って東京都、千葉県、神奈川県等の関東地域に拡大しているものと推定されます。累積報告数の年齢別割合では、0〜1歳児の発病者の割合は依然として高いものの(0歳14.5%、1歳15.6%)、これまで全報告数の60%前後を占めてきた0〜4歳からの報告割合は40.0%と減少しています。一方、10〜14歳からの報告割合が33.5%と増加しており、比較的年長者の割合は流行の進展とともに更に増加してきています。

 

 

  全国約450カ所の基幹定点からの成人麻疹(届出対象は15歳以上)の報告数は23例(定点当たり報告数0.051)となり、2002年以降の最高値であった前週(報告数39例)から減少しました。都道府県別では東京都15例、群馬県3例、岩手県、福島県、神奈川県、長野県、香川県から各1例の報告であり、東京都からの報告数は前週の12例から更に増加しました。2007年第1〜17週までの累積報告数は130例であり、都道府県別では東京都53例、神奈川県18例、埼玉県12例、長野県10例、宮城県8例、群馬県6例、茨城県5例の順であり、東京都を中心とした関東地域での患者の増加が続いています。累積報告数の年齢別割合では、20〜24歳(36.0%)、25〜29歳(20.8%)、15〜19歳(20.8%)、30〜34歳(13.6%)となっており、20代からの報告割合が50%を超えているとともに、15歳から39歳までの報告数が全体の96%を占めています。

 

 

  これだけ麻疹のことが問題になっていれば、大人の方もワクチンを打った方がいいのかどうか迷われる方も多いでしょう。麻疹の定期接種が始まったのは今から30年前です。ワクチンが導入されたのは40年前です。50歳以上の麻疹の患者数は非常に少ないです。30代の前半まででほぼ全体の90%を占めています。現在45歳以上のかたはまず過去に麻疹に罹患していると考えてもいいと思います。それ以下の年齢の方が問題で、かかったかどうか分からない場合は、ワクチンをうっているかどうかにかかわらず、麻疹に感染する可能性は否定はできません。ただ、本当に必要なのは、大人の方より、集団で発生しやすい中学生、高校生、大学生だと思います。このゴールデンウィークの期間に郷里に帰ったりして、そこで広めてしまった例も多いです。出張などで大人の方が、広めている場合もありますが!麻疹の2回接種が始まったのはやっと昨年からです。接種率は決してよくはありませんが、彼らが20歳を過ぎるまでは、この麻疹の流行は抑えられないだろう、と言われています。先進国でありながら、ワクチン行政が遅れているために、まだまだ麻疹を制圧できないでいる現状がつらいです。   

● リンク
京都市衛生公害研究所 国立感染症研究所感染症情報センター

 

copyright(c) 2003 Yamauchi Clinic. all right reseaved.