山内医院では、厚生労働省感染症サーベイランスを1週間単位で実施し、保健所に報告しています。そのデータをもとに、分かりやすく加工し直したのが、このページです。いまこの地域ではどんな病気が流行っているのか、感染防止の目安にして下さい。
■= 10 ■= 1
2007年4月16日〜4月22日

(第16週)
6


12


1
2 3 4 5 6 7 8 9 10

14
15

19
20



咽頭結膜熱 (プール熱)
            0
A郡溶血性連鎖球菌感染症
        1
    1
  2

1
1
   
6




感染性胃腸炎 2

1
3


4



1
2

2

  1
    2

 
9







27






水痘
      2

                    2

手足口病
                            0
伝染性紅斑(リンゴ病)
                            0
突発性発疹
  1
                        1
百日咳
                            0
風疹
                            0
ヘルパンギーナ
                            0
麻疹
                            0
流行性耳下腺炎
              1
            1
RSウイルス感染症                             0

インフル エンザ 6


12


1
2

3

4 5 6 7 8 9 10

14
15

19

合計
16




 
  1
1
      1
4



4



2

  2

1
16




 
20

29
30

39
40

49
50

59
60

69
70

79
80


           
                          0

【今週のコメント】
  週の始めは寒い日々でしたが、週末は気温が上がりました。土曜日は夏日を記録したところもあり、朝晩の冷え込みも少しましかな?という感じでした。新社会人、新入生、新入園の皆様、新しい生活に慣れ、そろそろ疲れが出てくる頃ですね・・・。
  やはり今年も、新学期が始まってから、インフルエンザが少し増えました。パラ、パラのところの方が多いのですが、前には流行しなかった学校の新1年生のクラスでA型が流行していたり、前にA型が流行した同じクラスで、今度はB型が流行している、という風に、いったい何がきっかけになってこの季節に流行りだすのか、本当に不思議です。確かにここのところ寒くなっていたのですが・・・。逆に連休前に少し増えだす夏風邪は、まだあまり多くは無いようです。溶連菌感染症は一度減って、これから又夏に向かって増えてきつつある、そんな状態ですね。感染性胃腸炎は、大きな山にはならずに横ばいで増えたり減ったりしながら、夏に向かって少なくなっていきます。京都ではあまり大きな流行は無いようですが、先週トピックスで述べた麻疹が、今関東地方で比較的大きな流行に広がり、大問題になっています。大学生や成人の麻疹が発生しているので心配です。流行している大学の学生全員に麻疹ワクチンを打つことを決めた大学もあるようです。
  これからは、遠足や春の運動会といった行事が増えてきます。疲れもたまってきているでしょうし、無理はしないで下さいね。

■今週のトピックス<ヒトメタニューモウイルス感染症>
  今回は新しい感染症の話です。2001年に見つけられたウイルスなので、まだまだ一般的には知られていません。インフルエンザの流行が終わった3月、4月頃から増えだすようです。上気道炎や気管支炎の症状をおこします。インフルエンザやRSアデノの検査をしても陽性にならない場合、今の時期はこのウイルスの感染症である可能性があります。

[原因]
ヒトメタニューモウイルス。2001年にオランダの研究者が小児の急性呼吸器感染症患者の鼻咽頭吸引液から新しいパラミクソウイルスを分離し、ヒトメタニューモウイルス (hMPV)と名付けました。日本でも 2003 年には、ヒトメタニューモウイルスが分離され、その存在が明らかとなりました。今まで原因不明の呼吸器感染症の一部は、ヒトメタニューモウイルスが原因であ可能性があります。

[症状]
RSウイルスによる症状と似ており,軽度の鼻かぜ程度の上気道炎から、細気管支炎、肺炎,クループまでさまざまな気道感染症を起こします。気道感染症で原因ウイルスが特定できなかった例の中の約20%がhMPVに起因していいたという報告があります。季節は冬から春に多く特に1歳未満の小児における気道感染症の重要な原因です。2歳以下の小児、50歳以上の成人、免疫機能の低下した例は気管支炎、肺炎、細気管支炎を発症するリスクが高いと報告されています。hMPV感染症はRSウイルス感染より発熱の頻度が高く、インフルエンザウイルス感染より喘鳴、気管支喘息の悪化の頻度が高いと考えられています。細気管支炎は乳児に多呼吸、陥没呼吸を起こし、重症の場合は入院し呼吸管理が必要な疾患で、75〜85%はRS ウイルスが原因ですが、hMPVとRSウイルスが混合感染を起こすと呼吸管理を必要とする重症な細気管支炎を発症するリスクが10倍高くなると報告されています。日本でhMPV感染に痙攣重積型急性脳症を発症した1例が報告されています。また造血幹細胞移植後の呼吸器感染症に関与しているという報告、hMPVの感染が成人の気管支喘息の悪化に関連しているという報告もありますが、hMPV感染がどのような臨床症状を起こすかはこれからさらに明らかになってくると思われます。血清抗体調査からは50年以上前からヒトの間で流行していたウイルスであり、5〜10歳までにほとんどの小児が感染すると言われています。

[治療]
hMPV 感染症は,上気道感染症から下気道感染症まで起こすため,その重症度にあった対症療法が基本となります。ステロイドは動物実験で hMPV 感染に伴う炎症を抑える作用があることが報告されています。抗ウイルス剤であるリバビリンは試験管内,動物実験ではウイルス増殖抑制作用がありますが,臨床的に使用された報告はありません。

  hMPVは呼吸器感染の原因ウイルスとして重要であることがわかってきました。その病態、免疫などまだわかっていないことが多く、今後の検討が必要です。家庭内でhMPVを排泄している小児と接触すると、呼吸器症状により医療機関を受診することがRSウイルスより多いと報告されています。簡単な検査キットが無いのでわかりにくいし、またわかっても特別な治療法は無いのですが、この時期、色々なウイルスが原因になって重症な症状をおこすことがあるので、要注意ですね。

● リンク
京都市衛生公害研究所 国立感染症研究所感染症情報センター

 

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