山内医院では、厚生労働省感染症サーベイランスを1週間単位で実施し、保健所に報告しています。そのデータをもとに、分かりやすく加工し直したのが、このページです。いまこの地域ではどんな病気が流行っているのか、感染防止の目安にして下さい。
■= 10 ■= 1
2006年12月11日〜12月17日

(第50週)
6


12


1
2 3 4 5 6 7 8 9 10

14
15

20
20



咽頭結膜熱 (プール熱)
                          0
A郡溶血性連鎖球菌感染症
          1
1
2

4



    2

    10
感染性胃腸炎     4



1
3


4



5




3


3


3


2

3


1
17





49










水痘
    1
1
1
                  3


手足口病
        1
                  1
伝染性紅斑(リンゴ病)
              1
          1
2

突発性発疹
    1
                      1
百日咳
                            0
風疹
                            0
ヘルパンギーナ
                            0
麻疹
                            0
流行性耳下腺炎
                            0
RSウイルス感染症                             0

インフル エンザ 6


12


1
2

3

4 5 6 7 8 9 10

14
15

19

合計
1
                          0
20

29
30

39
40

49
50

59
60

69
70

79
80


           
  1
                      1
【今週のコメント】
  冬休みももうすぐですね。寒かった昨年と比べて今年は暖冬です。というか、最近ずっと暖かい冬なのですが、昨年がここ数年に無く特別寒かったのですね。昨年の今頃は大雪が降って大変だったことをと思い出します。今年はまた、各スキー場は雪が無くて大変なようです。
  今週は感染性胃腸炎は横ばいです。ピークは超えているのですが、日本の色々なところで、ノロウイルスの集団発生例が報告されています。ホテルや修学旅行生、駅伝の宿舎で・・・。昔はこれらは全て、食中毒として処理、報告されていたと思います。今年は違いますね・・・。食べたものが原因ではなく、ノロウイルスの空気感染例なのだと言われています。感染力の強さには本当に脅威を感じます。後はやはりこの時期、溶連菌感染症が多かったですね。薬を飲み終わった後での、再感染例もありました。あまり耐性菌の無いはずの溶連菌も、耐性菌が増えているのでしょうか?寒い時期に少し流行のみられる、手足口病もありましたね。当医院では今年第1例目のインフルエンザが、大人の方でありました!A型です。小学校の別のクラスでインフルエンザのお子さんがいた・・・という話も聞きました。西京区でもぼちぼち増えだしているようです。チョッと流行しだしたのかな?と感じます。ワクチンを予約されていて、まだ打っておられない方は、できるだけ早く受けるようにして下さい。

■今週のトピックス<感染経路>

  今まで、色々な感染症の話をした時に、どういう方法で感染するか、ということを述べていますが、今回はその感染経路について、詳しく話をしてみます。

  一口に感染経路といっても、分類の方法はいくつかあります。人の体の中に入る経路からの分類、感染源からの分類等、単純には分けられないのですが、まず人の体の中に入る経路からの分類で説明します。

1.経気道感染(呼吸器から感染する)
空気感染:患者の咳やくしゃみによって病原体が空気中に散布され、長時間に渡りそのまま浮遊し長い距離を移動して広がり、それを呼吸と共に吸い込む事で感染する。飛沫核感染とも言う。結核麻疹水痘がこの感染経路を示す。
飛沫感染:患者の咳やくしゃみによって、唾液や鼻汁に付着した病原体が、唾液・鼻汁が人にかかることによって感染する。通常の風邪ウイルスやインフルエンザなどがこの感染経路を示す。
空気感染と飛沫感染の違いは、飛沫感染では感染者の近くにいる人間が感染する。空気感染は、近くに感染者がいなくても感染し、感染源がわかりにくく、大量の人間が一度に感染する。
2.経口感染(消化器から感染する)
食物感染:食物に含まれる病原体が口から入って感染する。(汚染された便、吐物も含まれる。) 感染性胃腸炎、A型肝炎、ポリオなど
水系感染:飲料水に含まれる病原体が口から入って感染する。同上
3.接触感染(皮膚や粘膜の接触又は血液,体液を介して感染)
接触感染:皮膚、眼等を介して水や土壌などから直接感染するもの。疥癬、水痘などがこれにあたる。
性行為感染症:精液、膣分泌液等を介して性行為を行う事で感染する。エイズ、B型肝炎など。
血液感染:傷口から、また輸血の際に感染する。破傷風、エイズ、B型・C型肝炎など。
4.母児感染(母親から赤ちゃんが感染する)
経胎盤感染:赤ちゃんが体内で母親の子宮・胎盤から栄養を貰っている時に感染する。風疹、エイズ、サイトメガロウイルス、伝染性紅斑など。
経膣感染:赤ちゃんが分娩の際の皮膚の擦り傷から感染する。B型肝炎、エイズ、水痘、B群溶連菌など。
母乳感染:産後の母乳の授乳で感染する。エイズなど。

又、上記の分け方とは別に、病原体を運ぶもの、感染源によってわける方法もあります。
1.空気感染:空気が運ぶ感染。飛沫感染も含まれる。
2.食物・水系感染:上述のとおり
3. ベクター感染:ダニやカ(ベクター)に媒介されて感染する。マラリア、日本脳炎など。
4.動物からの感染:人獣共通感染症。狂犬病猫ひっかき病など。
5.人:母児感染、上述

  さて、ここまで述べて、今問題のノロウイルスの感染経路についてです。これは経口感染であることには間違いありません。ただし、感染源は食物や水ではありません。カキや二枚貝に含まれ、食中毒として扱われることもありますが、今流行し問題になっているのは、大量のウイルスの含まれる下痢便や吐瀉物が手について、食物に入る。それだけでなく、食器、ドアの取っ手、衣服などからもウイルスが口に入ってしまうこと。さらに、先日東京のホテルで起こったように、廊下でもどした人がいて、吐寫物に含まれたウイルスが広がって、その階にいた人間が多数感染した!これこそ空気感染に他ならないですね。入るのは呼吸器ではなく、消化器ですが!わずか10個のウイルスでも感染が成立し、あの潜伏期間の短さは、ウイルスがどんな恐ろしい勢いで増殖しているのか、想像するだけでも怖いですね!今流行しているノロウイルスはグループU4というタイプのもので、これは特に感染力が強いようです。ただ、本当に体力の落ちている老人の方などが、二次感染をおこして亡くなる例はありますが、基本的には2、3日で治る軽い病気であるのが救いです。嘔吐や下痢が強いとその2日間ほどはチョッとつらいですが・・・。

  インフルエンザウイルスも基本的には飛沫感染ですが、一部空気感染もあるだろうといわれています。今問題になっている鳥インフルエンザは、人間に感染した場合、人から人への感染は殆どありません。これが新型インフルエンザに変わった時には、空気感染も含めた飛沫感染になりますので、やはり恐ろしい勢いで感染が広がっていくのでしょうね・・・。新型が出るだろうといわれだして、もう10年以上になります。今のH5N1が新型に変異するのか、それとも全く別のものなのか・・・、過去のスペイン風邪とは大きく時代が変わり、進歩しています。人間は、ウイルスの変異に勝つことができるのでしょうか??

● リンク
京都市衛生公害研究所 国立感染症研究所感染症情報センター

 

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